森本レオのキャリアを語る上で欠かせないのが、子ども向け鉄道アニメーションの金字塔『きかんしゃトーマス』(フジテレビ系『ひらけ!ポンキッキ』内など)です。1990年の日本初放送(第1期)から2007年の第8期まで、およそ17年間にわたりナレーションを担当しました。
当時の放送形態は、現在のキャラクターごとに声優が分かれている形式とは異なり、森本レオが一人で全登場キャラクターの声とナレーションを兼任する「語り聞かせスタイル」でした。機関車たちの感情を絶妙な息遣いと柔らかなトーンで演じ分ける職人技は、当時の子どもたちのみならず、一緒に視聴していた親世代の心をも掴み、日本におけるトーマスブームの礎を築きました。
長年親しまれた初代ナレーターの交代劇には当時さまざまな憶測が飛び交いましたが、降板の真相は制作元のグローバル展開に伴う体制刷新でした。制作本国である英国側のマスターライセンス管理方針の変更、および番組のフルCG化やキャラクター別キャスティング(声優の個別割り当て)という世界統一フォーマットへの移行が決定したためです。本人の健康上の問題や番組サイドとの不和といったネガティブな理由は一切なく、制作構造の変化に伴う円満なバトンタッチであったことが記録されています。
トーマス以外にも、『世界ふしぎ発見!』での知的な語りや、数々の紀行番組、自然ドキュメンタリー、CMナレーションにおいて、森本レオの語りは常に「情報の背景にある人間の温もり」を伝え続けてきました。