森口博子のCDがなぜ今再び大ヒットしているのか。その直接的な導火線となったのは、2018年にNHKで生放送された特別番組『発表!全ガンダム大投票 40th』でした。360曲を超える歴代ガンダムソングの中から、彼女のデビュー曲「水の星へ愛をこめて」が見事第1位、そして映画主題歌「ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜」が第3位に選出されたのです。この歴史的快挙を受け、ファンの熱い要望に後押しされる形で制作されたのが、アルバム『森口博子 ガンダムソングカバーズ(GUNDAM SONG COVERS)』でした。
2019年8月にリリースされた同作は、オリコン週間アルバムランキングで初登場3位を記録し、同年には「第61回輝く!日本レコード大賞」で企画賞を受賞しました。さらに、2026年の『GUNDAM SONG COVERS 2』はオリコンデイリー1位・ウィークリー2位、2026年の『GUNDAM SONG COVERS 3』もウィークリー3位を獲得。シリーズ累計売上は25万枚を軽快に突破し、CDが売れないと叫ばれる時代にフィジカル盤が飛ぶように売れる社会現象を巻き起こしました。
森口博子がガンダムソングをカバーする理由について、本人は過去の特番インタビューで次のように語っています。「私にとってガンダムは、歌手としての命を吹き込んでくれた恩人。バラエティでどれだけ泥だらけになっても、歌う場所だけは手放したくなかった」。この歌手活動現在に至るブレない執念と、原曲の世界観を壊さず「大人の鑑賞に堪えうる極上のアコースティック・ジャズ・ポップス」へと昇華させた音楽性の高さが、古参のアニメファンのみならずオーディオ愛好家の心をも捉えた要因です。