「汗や涙には強いのに、なぜお湯だけで簡単に落ちるのか」という疑問を持つ方は少なくありません。その秘密は、従来の油性マスカラ(ウォータープルーフ)とフィルムマスカラの皮膜形成メカニズムの違いにあります。
一般的なウォータープルーフマスカラは、揮発性油分とワックスを主成分とし、まつ毛の表面に強固な油膜を形成します。水や汗を完全に弾く一方で、落とす際には界面活性剤濃度の高いクレンジングオイルや専用リムーバーによる油分の溶解が不可欠です。これに対し、お湯で落ちるマスカラはアクリル系やポリウレタン系などの親水性高分子ポリマーを採用しています。
この特殊フィルムは、体温(約36℃前後)以下の汗、涙、皮脂には一切反応せず、強固な網目構造を維持するため日中は全く滲みません。ところが、38℃〜40℃前後のぬるま湯に触れると、水分を吸収して網目構造が一気に膨潤(ふやける現象)します。接着力を失ったポリマーが「筒状」または「ポロポロとしたカス状」になってまつ毛から自然に剥離するため、色素沈着を起こさず、目元を擦らずにオフできる構造になっています。