ネット上のレビューやSNSの投稿を精査すると、観光ガイドには載っていない「リアルな現場事情」が浮かび上がってきます。
特に顕著なのが「焼き時間の長さ」に関する声です。本格的な三津浜焼きは、キャベツの水分をじっくり飛ばし、麺にソースを染み込ませてから半月に折りたたんで蒸らすため、1枚焼き上がるまでに最低20分から30分を要します。混雑時には「注文から着皿まで1時間近く待った」という体験談も散見されます。
これに対し、地元民の多くは「訪問の30分前に電話で注文を入れておく」というスマートな自衛策を取っています。席に着くと同時に焼き立てが鉄板に運ばれてくるため、待ち時間なしで熱々を堪能できるのです。この事前電話オーダーは、松山でお好み焼きをスマートに楽しむための必須テクニックと言えます。
また、麺の選択についても興味深い傾向があります。他県からの旅行者は中華そば(そば肉玉)を選びがちですが、地元の常連客の注文比率を見ると、実は「うどん入り(うどん肉玉)」が半数以上を占めます。柔らかめのうどんに甘辛いソースと牛脂が絡みつく独特のモチモチ感こそが、松山っ子が幼少期から親しんできたソウルフードの真髄です。