シャリの設計にも、地域の歴史が色濃く反映されている。
中津川といえば全国的に知られる銘菓「栗きんとん」の故郷だ。この地で新世代の職人たちが着目したのは、地元の栗渋皮煮の工程で出る天然の渋みと微量な糖分、そして古くから伝わる美濃の赤酢だった。米は地元産のハツシモを使用。大粒で歯ごたえのあるハツシモに、特製のブレンド酢をあわせることで、独特のコクと上品な甘みが生まれる。「シャリ自体が中津川のテロワールを表現している」と評価するフードジャーナリストも多い。素材のひとつひとつが、この土地の記憶を語りかけてくるようだ。