山口百恵『謝肉祭』の歌詞が明かす灼熱の情念と引退前夜の真実

山口百恵『謝肉祭』の歌詞が明かす灼熱の情念と引退前夜の真実

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阿木燿子と宇崎竜童という希代のクリエイターコンビは、常に山口百恵の深層心理を引き出す触媒だった。『横須賀ストーリー』や『プレイバックPart2』で時代を射抜いた二人が、引退を目前に控えた彼女に手渡したのが、この『謝肉祭』という異色の楽曲である。

当時、阿木燿子は百恵という存在の中に「内に秘めた野生」と「運命を受け入れる潔さ」を敏感に嗅ぎ取っていた。単なる美しいポップスではなく、土着的なエネルギーとラテンの血が騒ぐような世界観。宇崎竜童が持ち込んだ情熱的なフラメンコのリズムに対し、阿木が紡いだのは「肉を断つ前夜の狂宴」という極めて文学的で挑戦的なモチーフだった。制作陣が彼女のラストスパートに求めたのは、穏やかな花道ではなく、すべてを燃やし尽くす炎だったのだ。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

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