この独特なスタイルの歴史は、明治10年(1877年)の西南の役まで遡る。熊本城を囲んだ薩摩軍の兵士たちが、野外戦の合間に瓦を使って野草や肉を焼いて食べたという語り継がれたエピソードから着想を得た。この歴史的ロマンを現代の食文化として見事に開花させたのが、下関の奥座敷として知られる川棚温泉の地で創業した「元祖瓦そばたかせ」である。
創業者である高瀬慎一郎氏の情熱から生まれたこの料理は、運営母体である株式会社たかせの手によって洗練され、今や単なる一地域の郷土料理にとどまらず、山口県を象徴する食文化へと開花した。歴史ある温泉街の風情とともに味わう熱々の瓦そばは、山口県下関市を訪れる旅人の心と身体をじんわりと温め続けている。