演劇の殿堂・帝国劇場。その重厚なステージで上演された『レ・ミゼラブル』において、山崎育三郎が演じたマリウスと神田沙也加が息を吹き込んだコゼット(そしてエポニーヌ)の邂逅は、まさに歴史的な名場面として語り継がれている。オーディションを勝ち抜き、プレッシャーに押しつぶされそうになりながらも稽古場で声を重ねた日々。二人が交わした言葉の端々には、同世代の役者としての強いリスペクトと、互いの背中を押し合う戦友のような絆が常に宿っていた。
舞台袖で見守るスタッフ陣が息を呑むほど、二人の芝居の掛け合いは生々しく、熱を帯びていた。旋律一つ、視線の交錯一つで物語の空気をガラリと変えてしまう魔力。舞台裏のエピソードとして知られるのは、どれほど過酷な公演スケジュールであっても、互いの体調や喉のコンディションを真っ先に気遣い合っていたというエピソードだ。徹底したプロ意識と純粋な演劇への愛が、彼らを特別な存在へと押し上げていった。