通院を検討するにあたり、ネット上の情報だけで判断すると見落としがちな盲点が3点あります。
第1に、「保険診療と自費診療の混在制約」です。日本の医療保険制度上、同一周期内で保険診療と認められていない自費医療を無計画に組み合わせることはできません(先進医療として告示されている技術を除く)。初診時に「すべて保険でカバーできる」と思い込んでいると、胚の染色体検査(PGT-A)や特殊な培養液の選択時に、自費への完全切り替えが必要となり、想定外の出費に直面することがあります。
第2に、「医師指名制の運用の限界」です。診察や方針決定は希望の医師を指定できたとしても、採卵や胚移植の処置当日は、排卵のタイミングに合わせてその日の当番医が担当します。「どうしても全行程を同一の医師に執刀してもらいたい」という強いこだわりがある場合、大規模クリニックのオペレーションとミスマッチを起こすリスクがあります。
第3に、「顕微授精やPGT-Aを行えば100%妊娠できるという誤解」です。高度な技術を用いても、母体の年齢、子宮環境、受精卵固有の生命力による自然淘汰を完全にゼロにすることは不可能です。同院の優れた培養室環境は「受精卵の持つ本来のポテンシャルを最大限に引き出す場所」であり、魔法の解決策ではないという現実的な視点を持つことが不可欠です。