地図を広げると合点が行く。中津川は、北陸の富山湾と東海の伊勢湾・三河湾のちょうど中間に位置している。2026年代半ばにかけて整備された高規格道路と専用保冷輸送ルートの開通により、両方の海から水揚げされたばかりの旬の魚介が、わずか数時間で中津川のつけ場へと届く体制が整った。
「朝に富山港で上がった寒ブリと、伊勢湾の天然アナゴが同じ日の昼にはうちの仕込み台に並びます」と語る老舗店主の言葉には自信が漲る。一つの店舗で日本海の深遠な味覚と太平洋の豊かな恵みを同時に、それも最高の状態で堪能できる場所は、全国を探してもそう多くはない。