インターネット上の掲示板やSNS、知恵袋などでは、少林寺拳法に対してポジティブな称賛とネガティブな懐疑論の双方が交錯している。現場の実態とネット上の評判を照合してみると、明確なギャップが浮かび上がってくる。
ネット上にみられる肯定的な評判
現場に通う門信徒や保護者から最も多く聞かれるのは、「道場内の人間関係の健全さ」である。格闘技ジムにありがちな威圧的な上下関係や、相手を叩きのめして優越感に浸るような体育会系の空気感が極めて希薄だという点だ。「二人一組で技を掛け合い、痛がる相手の反応を見ながら力加減を学ぶため、自然と相手を思いやる感覚が育つ」「指導者が礼儀作法や挨拶を丁寧に教えてくれるため、子供の教育に最適」といった声が目立つ。
ネット上にみられる懐疑的な意見と真相
一方で、「試合(組手)で殴り合わないから、いざというとき喧嘩で勝てないのではないか」「型(演武)の練習ばかりでダンスのようだ」という厳しい指摘も散見される。確かに全国大会などの主軸は、二人一組で息の合った技の攻防を演じる「演武」であり、KOを狙うトーナメント戦は一般的ではない。
しかし、高段者になると「運用法」と呼ばれる防具(胴やフェイスガード)を着用した実戦的な攻防練習も組み込まれる。相手を殴り倒してリングで勝利することが目的の格闘技と、怪我を防ぎながら自他共に高め合う武道修養とでは、そもそもの評価軸が根本から異なるのだ。