メタナイトという男の美学を語る上で欠かせないのが、彼が貫く戦士としての「威厳」と「矜持」だ。決闘の直前には必ずカービィの足元に剣を投げつけ、対等な条件での戦いを求める徹底した騎士道精神。そんな彼がなぜ、バイザーで顔を覆い隠し続けているのか。
心理的なアプローチから分析すると、あの無骨な仮面こそが彼にとっての「威圧感の要」だからに他ならない。あの愛らしく丸っこい素顔のまま軍団(メタナイツ)を率い、巨大戦艦ハルバードの艦長として指示を出したところで、敵に対する脅威は半減してしまうだろう。硬派で隙のない軍事指導者としてのパブリックイメージを維持するため、そして己の内に秘めた「甘さ」や「弱さ」を遮断するために、彼は仮面を被り続ける。だからこそ、仮面が砕けて素顔が露出した瞬間、彼は騎士としての完璧な仮面(ロール)を維持できなくなり、恥ずかしさのあまり現場を離脱せざるを得ないのだ。