ここまで神戸薬科大学の偏差値、学費、国家試験合格率、就職先、キャンパス環境、入試制度を網羅的に検証してきた。最終的に読者が知りたいのは「結局、この大学を選んでいいのか」という一点に尽きるだろう。
神戸薬科大学が向いているのは、以下の条件を満たす受験生だ。第一に、将来は病院薬剤師や保険薬局薬剤師として臨床現場で働きたいという明確なビジョンがある人。第二に、都会の喧騒や華やかなキャンパスライフよりも、落ち着いた環境で6年間じっくり学びたい人。第三に、国家試験合格を最優先事項とし、手厚い学習サポートを求める人。この三つの条件に当てはまるなら、神戸薬科大学は費用対効果の高い選択肢となる。
逆に、製薬企業の研究職を第一志望とする場合は、学部卒での就職は現実的に難しいことを理解すべきだ。神戸薬科大学の大学院修士・博士課程に進むか、あるいは研究志向の強い国立大学薬学部や他私立大学の大学院進学を視野に入れる必要がある。また、「大学生活を楽しみたい」「他学部の学生と交流したい」という動機が強い場合、単科大学である神戸薬科大学はミスマッチを起こしやすい。
社会学的視点から言えば、日本の薬学教育は6年制移行後、「国家試験合格者数」が大学の評価指標として過度に重視される構造が続いている。その結果、神戸薬科大学のように国家試験対策に注力する大学は高い評価を得る一方で、研究志向の学生にとってはやや窮屈な環境になるというトレードオフが生じている。大事なのは、「世間の評判」ではなく「自分のキャリア目標と教育環境の適合性」で大学を選ぶことだ。