華やかな展示の裏には、膨大な失敗と挫折がある。
樹脂は温度や湿度の影響を受けやすい。夏の暑い日には硬化が早すぎて表面が波打ち、冬の寒い日には硬化が遅れて気泡が発生する。数週間かけて制作した作品が、最後の一層で台無しになることもある。樹脂が予期せぬ方向に流れ、金魚の輪郭が歪む。色が混ざり、透明度が失われる。
深堀は失敗した作品を捨てずに保管している。それらは「教材」であり、次の成功への手がかりだからだ。どの角度で筆を入れれば鱗の質感が出るのか、どの濃度の絵具なら樹脂と調和するのか——すべてが経験から学んだ知識の蓄積だ。
また、金魚の飼育自体も作品制作の一部となっている。金魚が病気になれば治療し、水槽の環境を整え、餌やりの時間を守る。生き物と向き合う時間が、作品に命を吹き込む源泉となっている。