水辺に広がる心地よい空間のルーツを辿ると、1918年(大正7年)に設立された「東京水上倶楽部」に行き着く。日本初のボートクラブとして誕生したこの場所は、当時の東京におけるウォーターフロントカルチャーの先駆けであった。
神楽坂の玄関口として発展してきた飯田橋エリアにおいて、お濠の水上空間を有効活用する試みは当時極めて革新的だった。その後、水質の浄化や環境保全活動に取り組みながら、1996年に現在のカフェスタイルへと姿を変えた。水面に浮かぶボートの揺らぎや、時折通り過ぎる中央・総武線の電車の音。それらが織りなす情景は、外濠公園の緑景と調和し、過去と現在が交差する独自の景観を作り上げている。