ツンデレヒロインの印象が強い一方で、彼女の真の真価は演技の「振り幅」にある。『鋼の錬金術師』のアルフォンス・エルリック役はその最たる例だろう。巨大な鎧の身体を持ちながらも、心は繊細で優しい少年。その重厚な物語を支える切なくも温かいボイスは、世界中のファンの涙を誘った。
対照的に、『銀魂』の神楽役では型破りなコメディエンヌとしての才覚を遺憾なく発揮した。「〜アル」という独特の語尾、鼻をほじりながらの暴言、少年漫画のヒロインとは思えぬ破天荒なリアクション。それらを極めてナチュラルに、かつ計算し尽くされた間合いで打ち出す演技は、ギャグアニメにおけるひとつの到達点を示した。
可愛いだけではない。カッコいいだけでもない。滑稽さも愚かさもすべて包み込む彼女の演技の幅広さこそが、長年にわたって第一線でオファーが途絶えない最大の理由である。