日本のミュージカル史に燦然と輝く名作『マイ・フェア・レディ』。イライザ役に抜擢された際、彼女にかかったプレッシャーは想像を絶するものだった。連日の猛稽古で声が枯れ、孤独な葛藤を抱えていた彼女を救ったのは、父からのさりげない手紙と電話だった。
初日の幕が上がる直前、彼女の楽屋には父からの温かいメッセージが届けられていた。大げさな言葉ではなく、「お前なら大丈夫。舞台を楽しんできなさい」という短い一言。厳しい芸能界で幾多の修羅場を潜り抜けてきた父だからこそ分かってあげられる苦悩と、絶対的な信頼。その一言が、舞台へ向かう彼女の脚に確かな力を与えたのだった。