時計の針を少し戻そう。2015年、葛西臨海水族園を襲った「マグロの大量死」を覚えているだろうか。ある日突然、水槽内のマグロが次々と息絶え、最終的に生き残ったのはわずか1匹。原因究明のために世界中の専門家が知恵を絞り、ウイルス感染やストレス、夜間の照明変化など、あらゆる可能性が検証された。
あの絶望から、飼育スタッフの血のにじむような努力が始まった。水槽のガラス面に衝突防止のテープを貼り、夜間の光を徹底的に管理し、エサの配合を一から見直した。現在泳いでいるマグロたちは、その過酷な経験から得た知見の結晶だ。彼らの力強い泳ぎは、日本の水族館技術が世界に証明した「復活のシンボル」でもある。