『ONE PIECE』に登場する麦わらの一味の船医、トニートニー・チョッパーも大谷育江さんのキャリアを語る上で欠かせない重要キャラクターです。実は、チョッパー役の配役にはアニメ史に残る有名なエピソードが存在します。
元々、原作者の尾田栄一郎氏はチョッパーというキャラクターを「過酷な過去を背負った、少し不気味で骨太なトナカイ人間」として描く構想を持っていました。しかし、アニメで大谷育江さんが声をあてた瞬間、そのあまりの愛らしさと表現の深さに衝撃を受けたといいます。
尾田氏は後に「大谷さんの声があまりにも可愛すぎて、チョッパーを完全なマスコットキャラクターとして描く方向に舵を切った」と公言しています。声優の放つ演技が、原作漫画のキャラクター造形そのものに影響を与えた極めて珍しい事例であり、大谷さんの声が持つ唯一無二の求心力を証明する出来事となりました。少年サンジ役としてオーディションに参加していた大谷さんが見事に射止めたチョッパー役は、いまや世界中で愛される存在です。