料理の基本書やネット上の簡易レシピには、ポテトグラタンの仕上がりを損ねてしまう罠がいくつか存在します。現場の調理検証で明らかになった3つの盲点を確認しておきましょう。
誤解1:じゃがいもを水にさらしてアクを抜く
炒め物やポテトサラダでは変色防止やシャキシャキ感を出すために水晒しが推奨されますが、グラタンにおいては絶対的なNG行為です。表面のデンプンを洗い流してしまうと、牛乳をいくら煮詰めてもシャバシャバのまま分離してしまい、とろみが一切つきません。
誤解2:ホクホク感を求めて「男爵いも」を厚切りにする
男爵いもは煮崩れしやすいため、煮込みグラタンでは形が崩れてマッシュポテト状になりがちです。層の美しいグラタンを作るなら、煮崩れしにくく滑らかな質感を持つメークインが適しています。また、5mm以上の厚切りにすると牛乳が煮詰まる前に火が通らず、生焼けの原因になります。
誤解3:最初から強火で一気に沸騰させる
牛乳は急激な加熱や酸味との接触によってカゼイン(乳タンパク質)が凝固し、モロモロとした分離を起こします。沸騰寸前で弱火に落とし、対流を穏やかに保ちながらデンプンを溶出させることが、プロ並みの滑らかさを維持する科学的条件です。