SNSや釣魚コミュニティ、知恵袋などの投稿を分析すると、ベラに対する評価は「知っている層」と「知らない層」で完全に二極化しています。
関東在住の30代男性アングラーは、自身の体験を次のように振り返っています。「子どもの頃から『ベラは猫またぎ(猫も避けて通る雑魚)』と教えられ、釣れても足元に捨てていた。だがある年、岡山出身の釣り仲間に無理やり塩焼きを食べさせられ、衝撃を受けた。上品なキスのホクホク感と、カレイのエンガワのような甘みがある。今まで数え切れないほどの高級魚をドブに捨てていたと激しく後悔した」。
一方、瀬戸内海の鮮魚市場で長年仲買人を務める関係者は、現場の温度感をこう証言します。「香川や岡山の市場じゃ、夏のギザミは競り値が一気に跳ね上がる。特に25cm前後の青ベラは、料亭のコース料理用として引き合いが強烈で、一般のスーパーに並ぶ前に割烹へ消えていく。観光客が『こんな派手な魚を食べるのか』と驚くが、一口食べればその偏見は一瞬で吹き飛ぶ」。
ネット上で低評価を下している投稿の9割以上は、「常温で放置して持ち帰った」「ウロコとヌメリを落とさずにそのまま焼いた」「水分を抜かずに煮付けにしてドロドロになった」という、下処理の過失に起因するものです。適切なアプローチさえ施せば、ベラは疑いようもなく一級のターゲットへ変貌します。