矢地祐介のキャリアにおける最大の転換点の一つが、2019年7月の「RIZIN.17」で行われた朝倉未来との一騎討ちでした。当時、飛ぶ鳥を落とす勢いだった朝倉との大一番に判定負けを喫した矢地は、深い挫折を味わうと同時に、格闘家としてのセルフプロデュースと発信の重要性を痛感することになります。
その直後に本格始動した公式YouTubeチャンネル「ヤッチくんチャンネル」は、格闘技YouTube界のトレンドを塗り替えました。特に、伝統派空手、ジークンドー、太極拳、古流柔術などの達人を招き、その技術をMMAファイターの視点で真摯に体験・検証する「武術コラボ企画」は大ヒットを記録。単なるエンタメにとどまらず、失われつつあった伝統武術の価値を再発見する文化的な架け橋としての役割を果たしました。
入場時に流れる軽快な矢地祐介の入場曲(レゲエやヒップホップ調の陽気なトラック)と満面の笑顔、そして礼儀正しく相手をリスペクトする姿勢は、YouTubeを通じて格闘技ファン以外のライト層にも広く浸透。怖い・野蛮という従来の格闘家のステレオタイプを払拭する契機となりました。