売り場で見かける食パンは、大きく分けて角食パンと山型食パンの2種類に分類される。この形状の違いは単なるデザインではなく、焼き上がりの水分量や気泡構造、ひいては食べたときのテクスチャーを決定づける科学的な要因となっている。
フタをして密閉状態で焼き上げる角食パンは、内部の水分が逃げにくく、きめ細やかで均一な気泡組織が形成される。しっとりと吸い付くような舌触りと、もっちりとした弾力を重視するなら迷わず角食を選ぶべきだ。
一方、フタをせずに焼き上げる山型食パンは、生地が上部へ自由に膨らむため、縦長の粗い気泡が生まれる。トーストした際に熱風が気泡を通り抜けやすく、外側はカリッと香ばしく、内側はふんわりと軽い食感に仕上がる。立ち上る小麦の芳香をダイレクトに楽しみたい朝には、山型食パンが圧倒的な爽快感をもたらす。