結論から言うと、「似非」の正しい読み方は「えせ」です。「にせ」と読んでも意味合い自体は通じてしまうため、うっかり読み間違えたまま過ごしている人が少なくありません。しかし、公の場で「にせ」と発声してしまうと知識不足と受け取られかねないため注意が必要です。
「似非(えせ)」が持つ本来の意味は、「外見だけが似ていて、中身や実態が伴わないもの」「本物らしく見せかけているが、価値が劣るもの」です。名詞の頭につく接頭語として使われるケースが多く、基本的には相手や対象を嘲笑したり、軽蔑したりする否定的なニュアンスを含みます。
ここで疑問になるのが、「偽(にせ)」との違いです。両者は同義語として扱われることもありますが、言葉の持つ焦点が大きく異なります。
「偽(にせ)」は、客観的に本物と偽物を区別する言葉です。偽造パスポートや偽札のように、明確な悪意や意図を持って「本物そっくりに作られたもの・欺くための嘘」を指します。
一方の「似非(えせ)」は、主観的な評価や皮肉が色濃く反映されます。本人は本物のつもりで振る舞っているものの「知識が浅い」「形骸化している」「中身が伴っていない」といった、質の低さや未熟さを冷ややかに見下すニュアンスが強くなります。