血糖値スパイクの予防策として広く定着した「野菜から先に食べる」という手法ですが、ネットやテレビの情報を鵜呑みにした自己流の実践では、期待した効果が得られないどころか逆効果になっているケースが散見されます。ここにベジファースト・食べる順番の真相と大きな誤解が存在します。
第1の落とし穴は、「野菜なら何でもよいわけではない」という点です。ポテトサラダやカボチャのサラダ、春雨サラダなどは野菜料理のように見えて糖質が非常に豊富であり、最初に食べると血糖値を直撃します。また、市販のノンオイルドレッシングにはコクを補うために大量の果糖ブドウ糖液糖が含まれていることが多く、知らず知らずのうちに急激な血糖上昇を招く原因になります。
第2の落とし穴は「食べるスピード」です。野菜を口に放り込んでからわずか1〜2分後に白米やパンをかき込んでしまっては、胃の中で混ざり合ってしまい、糖の吸収を遅らせる食物繊維のバリア機能が働きません。胃の中で食物繊維がゲル状になり、糖の吸収を物理的に緩やかにするためには、野菜を食べ始めてから主食に移行するまでに最低でも5分から10分の時間差が必要です。
近年では、食物繊維単独よりも「タンパク質や脂質を先に摂る(プロテイン・ファースト、ミート・ファースト)」方が、消化管ホルモンであるGLP-1の分泌を促し、胃の排泄能を適度に遅らせることで血糖上昇をより強力に抑制できるという臨床データも重視されています。