世界で最も安全な国と評され続けているのがアイスランドだ。北の大西洋に浮かぶ孤島国家が、長年にわたり首位を独占し続ける理由とは何か。軍隊を持たない徹底した非武装体制、重犯罪の発生率の低さ、そして高い社会的連帯感がその基盤にある。人口約38万人の小さな社会構造が、警察と市民の強固な信頼関係を育んでいるのだ。
このランキングの背景には、オーストラリアの起業家スティーブ・キレレア氏が設立した国際的シンクタンク、経済平和研究所(IEP)の存在がある。同機関が発表する世界平和度指数(GPI)は、単なる治安の良し悪しを超え、暴力の経済的コストや社会の寛容性まで測定する。データは公式オンラインプラットフォーム「Vision of Humanity」で詳細に公開されており、各国の平和度推移を多角的に把握できる仕組みだ。過酷な自然環境と隣り合わせでありながら、人々が穏やかに暮らすアイスランドの姿は、安全の概念を再定義している。