王子消防署の強みを語る上で外せないのが、橘色の救助服に身を包んだ精鋭部隊「王子特別救助隊」の存在だ。大規模な建物崩落、水難事故、複雑な交通事故など、極限状態での救出劇を担う彼らの訓練は苛烈を極める。取材班が目撃した訓練現場では、数十キロの機材を背負った隊員たちが、暗闇と煙が立ち込めると仮定した狭小空間を寸分の狂いもなく進み、要救助者を的確に捜索・救出する姿があった。
北区特有の入り組んだ路地や旧市街地での災害を想定し、彼らは超軽量の油圧破壊器具や熱画像カメラなど最先端の救助資機材を使いこなす。厳しい状況下でも冷静な判断を下すメンタルタフネスと、コンマ一秒の判断ミスも許されないチームワーク。王子特別救助隊の存在は、災害発生時における地域住民の最大の心の支えとなっている。