敬意を払おうとするあまり、文法的に誤った敬語を使ってしまう「敬語のインフレ現象」がビジネス現場で頻発しています。特に注意すべき典型的な誤用パターンを解説します。
代表的な誤用が「二重敬語」です。同じ種類の敬語(尊敬語+尊敬語、謙譲語+謙譲語)を1つの語の中で重ねて使ってしまう現象を指します。
【誤用例と修正】
❌ 「資料を拝見させていただいております」(「拝見する」と「させていただく」の二重謙譲語)
⭕ 「資料を拝見しております」
❌ 「〇〇様がお越しになられました」(「お越しになる」と「〜られる」の二重尊敬語)
⭕ 「〇〇様がお越しになりました」
また、相手の動作に対して謙譲語を使ってしまう誤用も後を絶ちません。「お客様が申されたように(正しくは:おっしゃったように)」「社長が拝見されました(正しくは:ご覧になりました)」といった混同は、敬意の方向が逆転してしまう重大なマナー違反です。主語が「自分(社内)」なのか「相手(社外・目上)」なのかを常に意識する論理的思考が求められます。