天候変化に伴う「トラックバイアス(内外・前後の有利不利)」は、レースを重ねるごとに生き物のように変化します。雨天時の京都競馬場で勝敗を分けるのは、主に以下の2つの要素です。
1. 通過コースの損耗と外伸び化
開催前半の連続開催で内側の芝が削れている状態に雨が重なると、内ラチ沿いから2〜3頭分のグリーンベルトが完全に死に体となります。各馬が直線の良い外側を選んで殺到するため、最終直線では外ラチ近くまで広がるダイナミックな追い比べが発生します。ただし、全員が外を意識しすぎた結果、ぽっかりと空いた内側を最短距離で通った先行馬がそのまま粘り込む「逆バイアス」が紛れ込む点には細心の注意が必要です。
2. 重馬場適性を引き寄せる血統力学
道悪の淀において圧倒的な存在感を示すのが、タフな馬場での推進力を生み出す欧州系の血統です。トニービンやサドラーズウェルズ、ロベルトの血を引く種牡馬(キズナ、エピファネイア、ルーラーシップ産駒など)は、クッション値が低下した芝でもブレない体幹を発揮します。対照的に、速い上がりタイムと軽さを武器とする系統は、道悪の坂下りでスピードに乗れず苦戦を強いられます。