物語のクライマックス、仲間たちが次々と命を落とし、逃げ場を失ったパブ「ウィンチェスター」でショーンとリズは絶体絶命の危機に陥ります。しかし、突如としてイギリス軍が突入し、事態は呆気ないほど急速に制圧されます。このアンチクライマックスな展開こそ、現実の無慈悲さと皮肉を象徴しています。
そして迎えるラストシーン。パンデミックの終息後、社会はゾンビを低賃金労働者やテレビのバラエティ番組のリアクション要員として飼い慣らし、元の退屈な日常を取り戻していました。ショーンとリズも復縁し、一見すると平和なハッピーエンドに見えます。
しかし、ショーンが向かった裏庭の物置小屋には、ゾンビと化して鎖に繋がれた親友エドの姿がありました。ショーンは何事もなかったかのようにエドの横に座り、生前と全く変わらないトーンでビデオゲームをプレイし始めます。
この衝撃の結末が示しているのは、友情の尊さであると同時に、「人は都合の悪い現実を飼い慣らし、ぬるま湯のような怠惰へ逃げ込み続ける」という強烈なアイロニーです。ゾンビになっても変わらない二人の関係性は、心温まる友情の証なのか、それとも魂の死なのか――観る者の価値観を揺さぶる切れ味抜群のエンディングとなりました。