ネット検索や日常会話で頻繁に見かける「京阪モール 天満橋」というワードですが、公式に天満橋駅直結のビルを指す呼称は京阪シティモール(通称:シティモ)です。一方で、単に「京阪モール」と呼ぶ場合は、京阪本線・JR・Osaka Metroが交差する大ターミナル京橋駅に直結する商業施設を指します。
なぜこのような混同が生まれるのでしょうか。その背景には、天満橋という土地が歩んできた商業史が深く関わっています。かつて天満橋駅のステーションビルには、関西を代表する百貨店の一つであった「松坂屋大阪店」が構えていました。2004年の松坂屋閉店後、京阪グループが全面的なリノベーションを施し、2005年5月に都市型複合商業施設「京阪シティモール」として再出発を切った経緯があります。
対する京橋の京阪モールは、1970年の開業以来、半世紀以上にわたって「京阪モール」の屋号を掲げ続けています。沿線ユーザーにとって「京阪の駅ビル商業施設=京阪モール」という強い刷り込みがあったため、天満橋の施設も無意識に京阪モールと呼んでしまう現象が定着したと分析できます。
両者はコンセプトも明確に差別化されています。京橋の京阪モールがトレンドファッションやコスメ、手土産需要を牽引する「ターミナル型ファッションビル」であるのに対し、天満橋の京阪シティモールは大型雑貨店や書店、暮らしの必需品、そしてリバービューを活かした飲食が揃う「地域密着・ライフスタイル提案型モール」としての性格を色濃く持っています。