加害者が自らの犯罪体験を出版し、それによって金銭的報酬を得ることに対する倫理的批判は絶大だ。アメリカなど一部の国では、犯罪者が自身の犯罪ビジネスから利益を得ることを防ぐ「サムの息子法(Son of Sam law)」のような法的枠組みが存在する。しかし、日本にはこうした直接的な法規制が存在しない。
出版直後から「犯罪被害者の犠牲の上に成り立つビジネスだ」との批判が殺到した。手記から生じる印税が被害者への賠償に充てられるとされる説明に対しても、「遺族が望まない形での金銭提供は贖罪になり得ない」という反論が強く主張された。犯罪者が自著によって多額の利益を得る構図は、現代法社会が抱える倫理的欠陥を浮き彫りにした。