樹木の根元に生える「ひこばえ」とは?放置リスクと正しい剪定基準

樹木の根元に生える「ひこばえ」とは?放置リスクと正しい剪定基準

樹木の根元に生える「ひこばえ」とは?放置リスクと正しい剪定基準について徹底解説いたします。専門家の見解をチェックしてください。

一般的には「切るべき悪者」とみなされがちなひこばえですが、林業や高度な庭園管理においては、ひこばえを切るべきか残すべきかの判断は一概に切り捨てだけではありません。そこにはひこばえを残すメリットと更新法という、植物の再生力を活用した技術が存在します。

例えば、主幹が寿命を迎えて心材が腐朽している場合や、テッポウムシに幹の根幹を喰い荒らされて回復不能と診断された場合です。この際、親木の伐採と同時に最も勢いのあるひこばえを1本だけ選定して育て上げると、親木の強大な根系をそのまま利用できるため、新苗を植え直すよりも圧倒的なスピードで健全な成木へと成長させることができます。また、シマトネリコやアオダモのように、単木(一本立ち)からナチュラルガーデンに似合う「株立ち仕立て(一本の根から複数の細い幹が立ち上がる樹形)」へ作り替えたい場合にも、計画的にひこばえを残して育てていきます。

さらに、園芸愛好家にとって見逃せないのがひこばえの挿し木での増やし方です。樹木の幹や古い枝から取った挿し穂に比べ、ひこばえは若返り(幼形化)した組織を持っており、細胞分裂が極めて盛んでオーキシン活性も高いため、挿し木の発根成功率が格段に跳ね上がります。6月の梅雨期に、やや硬さを帯びたひこばえを10cmほど切り取り、1時間ほど水揚げした後に赤玉土へ挿すことで、親木と同一の遺伝子を持つ元気な苗木を容易に増やすことが可能です。ただし、前述の通り接ぎ木の台木から生えた枝を使った場合、台木側の植物が増殖する点には十分な注意を払わなければなりません。

森 瞳
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森 瞳

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