インターネットの検索エンジンに「再婚」「離婚」といった不穏な単語がサジェストされる現象は、著名人にとって珍しいことではない。だが、水川あさみに関してこのフレーズがこれほど執拗にクリックされる理由は、彼女自身の結婚歴に対する大衆の勘違いにある。
2019年9月に窪田正孝との入籍を発表した際、すでに芸歴20年を超え、数々の名作で自立した大人の女性を演じてきた彼女に対し、「これが初婚だったのか」と驚く声が少なくなかった。過去に報じられた大物俳優とのオープンな交際歴が、いつしか記憶の中で「前の結婚」へとすり替わってしまったのだ。
さらに、同年代の女優たちが経験した電撃離婚や再婚のニュースと情報が混濁し、ネット掲示板やまとめサイトが無責任にキーワードを増幅させた。事実無根の「再婚疑惑」は、大衆のあやふやな記憶とデジタル空間のアルゴリズムが作り出した虚構に過ぎない。