水原氏が周囲に見せていた「完璧な黒衣(くろご)」としての姿と、裏で抱えていたギャンブル依存症という二面性について、当時を知る関係者や米番記者たちの証言からは、現場特有の生々しいリアルが浮かび上がってきます。
球場内での水原氏は、大谷選手の練習パートナーとしてキャッチボールの相手を務め、クラブハウスではチームメイトとの橋渡し役を完璧にこなしていました。選手たちからは「イッペイは誰に対しても腰が低く、ユーモアがあり、チームに不可欠な存在」と絶賛されていました。しかし、ある米球団関係者は事件発覚後、以下のように述懐しています。
「彼は常にスマートフォンを手放さず、ベンチ裏や移動のバスでも何かに取り憑かれたように画面をスクロールしていた。当時は大谷の過密スケジュールや日米メディアとの連絡に追われているのだと思っていたが、今振り返ればあれは違法賭博のオッズ確認と送金連絡だった」
ネット上のコミュニティ(SNSや5ちゃんねる、Yahoo!知恵袋など)でも、事件当初は「大谷選手をかばって罪を被ったのではないか」という陰謀論的な擁護論が一部で囁かれました。しかし、米連邦検察が公開した37ページに及ぶ詳細な訴状とテキストメッセージの生ログ(「もう終わりだ」「金を送ってくれ」「彼(大谷)から盗んだ」という水原氏自身の生々しい告白チャット)が提示されたことで、そうした憶測は完全に一掃されました。ネットの声は「あまりにも恩を仇で返す裏切り」「依存症の恐ろしさと人間の心の脆さを見せつけられた」という深い失望へと変わっていきました。