売買契約書に実印を押す前に、買主として必ず自らの目で照合すべき最重要項目をまとめました。重要事項説明の場を待つのではなく、購入申込みを行う前の現地見学・調査段階で不動産仲介会社へ以下の事項を文書で確認してください。
1. 私道持分の有無と割合の完全な特定
前面道路が私道である場合、売買対象に「私道の共有持分」が確実に含まれているか登記事項証明書で確認します。持分がない物件は、将来の売却時にも担保価値が著しく毀損されるため、原則として見送るか、持分を同時に買い取る手立てを講じる必要があります。
2. 「私道 通行掘削承諾書」の取得状況と承継条項
すべての私道所有者・共有者から、将来にわたる無償通行およびライフライン埋設に伴う掘削を承諾する合意書面が取得されているか確認します。単に現所有者限りの承諾ではなく、「甲および乙の相続人や第三者承継人に対しても本承諾の効力が及ぶ」という承継条項が明記されているかどうかが極めて重要です。
3. セットバック後の「有効宅地面積」と建築制限のシミュレーション
セットバックを要する2項道路の場合、敷地全体から道路提供部分を差し引いた実質的な土地面積を算出します。その残存面積に対して指定建ぺい率・容積率を乗じ、家族が希望する間取りや駐車場スペースが物理的・法的に成立するか建築士と綿密に検証してください。
4. 自治体による私道整備助成金制度と公道移管基準の確認
私道の舗装補修や側溝整備に際し、工事費用の50%〜90%程度を助成する制度を設けている市区町村は数多く存在します。また、将来的に自治体へ道路を寄付して公道化(市道認定)するための幅員・排水基準をクリアできる立地であるかも、役所の道路維持課で事前リサーチする価値があります。
5. 現地境界標の明示と確定測量図の有無
私道と敷地との境界標(コンクリート杭や金属標)が地表に露出して現存しているか、隣接地所有者全員の立ち会いによる「確定測量図」が作成されているかを確認します。境界が不明瞭な私道は、将来のインフラ工事や売却時に紛争の火種となります。