紙媒体が主流だった時代であれば、数週間も経てば流行は去り、人々の記憶から薄れていくのが世の常であった。しかし、WEBメディアの台頭と検索エンジンの発達は、その構造を根本から塗り替えた。過去のスクープ画像やスキャンダル記事はデジタルデータとして永久に保存され、数年、あるいは数十年が経過しても検索一つで瞬時に再生されてしまう。
この「忘れられない権利」の問題は、当事者にとって深刻な精神的負担となり続けている。一度デジタル空間に流出した情報は、本人のその後のキャリアや誠実な仕事ぶりとは無関係に、ゴシップの検索ワードとしてアルゴリズムに組み込まれ続ける。メディアの露出度が高い職業であるがゆえに、過去のプライベートな過ちや出来事が、生涯にわたってつきまとう構造が完成してしまったのだ。