事件が表面化したのは2009年秋のことでした。東京都、千葉県、埼玉県で相次いだ男性3名の不審死を巡り、警察当局は詐欺容疑などで木嶋佳苗を逮捕。現場に残された練炭や睡眠導入剤の成分、そして遺産や多額の金銭を巧妙に詐取していた手口が次々と暴かれ、首都圏連続不審死事件として連日ワイドショーを独占しました。
裁判を通じて木嶋が見せた態度は、世間の常識をことごとく覆すものでした。「名器論」を堂々と語り、自らの女性としての価値と料理の腕前を誇示し続けた法廷劇は、傍聴席に長蛇の列を作らせました。一審のさいたま地裁での死刑判決、二審の東京高裁での控訴棄却を経て、2017年4月に最高裁が上告を棄却。これにより木嶋佳苗の死刑確定が決定し、法廷での戦いは幕を閉じました。
しかし、裁判終結後も彼女の名前がメディアから消えることはありませんでした。むしろ、身柄が拘束された閉鎖空間の中で繰り広げられる「男たちとの関係構築」こそが、彼女の底知れぬ業を物語る第2章の幕開けとなったのです。