長年にわたり日本の四季の移ろいを見つめ続けてきたベテラン気象予報士の森田正光氏は、近年の季節進行について「もはや日本の秋はかつての情緒的なグラデーションを失いつつある」と鋭く指摘する。夏から秋への移行期間が極端に圧縮され、夏からいきなり冬の入り口へ放り込まれるような感覚だ。
森田氏の解説によれば、かつての日本は9月に入ると太平洋高気圧が自然と東の海上へ退却し、秋雨前線がしとしとと雨を降らせて気温を下げていた。しかし、地球温暖化と偏西風の蛇行が常態化した現代においては、高気圧がまるで岩のように居座り続け、寒気がそれを一気に力ずくで押し流すという荒っぽい交代劇が増えている。
2026年の今年に関しても、典型的な「遅れてやってくる急激な秋」のパターンに合致する。森田氏は「数字上の平均気温だけに惑わされず、日々の気圧配置図に現れる等圧線の走向に注目してほしい」と語り、大陸からの高気圧が移動性となって日本を覆うタイミングこそが、本当の爽快感を得られる日になると見立てている。