そもそも、原作の時点でその笑いのポテンシャルは規格外だった。原作者である藤子・F・不二雄は、圧倒的なSFの発想力と同時に、鋭利な毒を含んだギャグセンスの持ち主であった。彼が描いた『ドラえもん』は、単なる児童文学にとどまらない上質なギャグ漫画としての側面を強く持っている。
小学館の「てんとう虫コミックス」を開けば、狂気的なセリフ回しやシュールなコマ割りが随所に散りばめられていることがわかる。「地球破壊爆弾」を平然と取り出す展開や、のび太が狂気に走るエピソードの数々は、時代の先を行き過ぎていたと言わざるを得ない。我々がSNSで目にする画像の大半は、原作者が半世紀前に仕掛けた「爆笑の仕掛け」の再発見に過ぎないのだ。