「ソフトバンクの社長」と一口に言っても、メディアで言及される対象は二つの異なる上場企業を指している。この点もまた、世間の混乱を招く主因となっている。親会社であるソフトバンクグループ株式会社は、世界中の最先端テクノロジー企業に資金を投じるグローバル投資企業であり、その最高責任者は会長兼社長を務める孫正義氏である。
一方で、国内のスマートフォン事業や通信インフラを直接担う事業会社がソフトバンク株式会社である。同社で代表取締役社長兼CEOを務めるのは宮川潤一氏だ。両社は親会社と子会社の関係にあるが、上場企業としての意思決定は完全に独立しており、ガバナンス構造も明確に分離されている。国籍に関する議論を整理する上でも、どの法人のどの経営者を指しているのかを区別することが不可欠だ。