白戸家の家族構成は、母・正子(樋口可南子)、長女・アヤ(上戸彩)、長男・つよし(ダンテ・カーヴァー)、そして父・次郎(犬)という、一見して不条理極まりない構成です。なぜ父親だけが白い犬の姿をしているのか、その設定の背景にはクリエイター陣の緻密な戦略と遊び心がありました。
CM企画を手掛けたトップクリエイター・佐々木宏氏らは、当時携帯電話各社が展開していたありきたりで予定調和な「爽やかな家族のCM」に強烈な違和感を抱いていました。そこで「携帯電話業界の常識を覆すソフトバンクの挑戦的な姿勢」を表現するため、「一見バラバラで絶対にあり得ないが、なぜか仲が良い家族」という前代未聞のコンセプトを打ち立てたのです。
作中におけるお父さんの公式プロフィール上の名前は「白戸次郎(しらと じろう)」。職業は中学校の国語教師という堅い設定が用意されています。なぜ犬の姿になったのかについては、過去のシリーズ内で「昔は普通の人間だったが、ある出来事をきっかけに犬の姿になってしまった」という趣旨の描写が度々示唆されており、家族もその事実を当然のように受け入れているというシュールなリアリズムが白戸家の真骨頂となっています。