全国から強豪が集う阪神甲子園球場。春の選抜大会や夏の全国高校野球選手権大会の本戦では、どれほどゲームがワンサイドになろうとも点数差によるコールドゲームは一切行われない。20点差がつこうが、25点差になろうが、9回フルに戦い抜くのが甲子園の鉄則だ。
なぜ聖地では点数差コールドがないのか。日本高校野球連盟(高野連)の理念の根底には、「厳しい地方予選を勝ち抜いて全国の舞台に立ったチームには、最後までプレーする権利と義務がある」という考えが存在する。どんなに厳しい展開であっても、憧れの甲子園の土を踏んだ球児たちに9回までの戦いを全うさせたいという配慮だ。
過去の甲子園でも、二桁得点差がついた大敗劇は何度か記録されている。見る側にとっては酷に見える瞬間もあるが、敗れたチームの選手たちが「最後まで甲子園のグラウンドに立ち続けられた」と語るケースは少なくない。