国の特別天然記念物であり、絶滅危惧種にも指定されている「ニホンライチョウ」。北岳周辺はその南限の生息地の一つですが、ここでも温暖化の影響が顕著に現れています。気温の上昇に伴い、ライチョウの天敵であるハシブトガラスやキツネが高標高地域まで行動範囲を広げているためです。
雛が捕食されるケースが増加しており、北岳周辺のライチョウの個体数は減少傾向にあります。研究グループは、ケージを使った雛の保護活動や天敵の監視を行っていますが、根本的な解決には至っていません。ライチョウが這いつくばるハイマツの帯が縮小していることも、彼らの隠れ家を奪う要因となっています。北岳の空に響くライチョウの鳴き声が、いつか聞こえなくなってしまうかもしれないという懸念は、現実味を帯びています。