ボーカリストとしての歌唱力に加え、渋谷龍太は卓越した「文筆家」「語り手」としての顔を持っています。彼の言葉の力は、楽曲の歌詞だけでなく、自著やラジオのフリートークでも遺憾なく発揮されています。
2026年に刊行された初のエッセイ集『吹けば飛ぶよな男だが』、それに続くシリーズ作は、発売直後から重版を連発し、オリコン週間BOOKランキングで上位を獲得。そこには、歌舞伎町で過ごした少年時代の風景、愛する家族や友人への思い、バンドの挫折期に抱いたやるせなさや憤りが、下町の小気味よい江戸弁混じりのリリカルな文体で綴られています。
また、ニッポン放送『オールナイトニッポン0(ZERO)』のパーソナリティを務めた際には、深夜ラジオ特有の毒気とリスナーへの深い愛情が同居したトークで絶大な支持を集めました。彼の魅力は、弱者を決して見捨てない温かさと、理不尽に対して毅然と怒りを表明できる倫理観の強さにあります。ソロ名義「澁谷逆太郎」としての繊細なアコースティック活動も含め、あらゆる表現形態において「言葉の強度」が通底しています。