現在、トップアスリートや強豪チームの現場で活動する理学療法士の間で、事実上の業界標準(デファクトスタンダード)となっているのがJSPO-AT ダブルライセンスです。
公益財団法人日本スポーツ協会が認定する日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)は、国内の民間スポーツ資格の中で群を抜く難易度を誇ります。養成講習会の受講資格を得ること自体が難関である上、理論試験および実技試験の最終合格率は例年20〜30%前後と極めて低水準です。理学療法士がメディカルの専門家であるのに対し、JSPO-ATは「競技現場での外傷・障害発生直後の救急対応(一次救命や応急処置)」、「競技復帰に向けたテーピングやアスレティックリハビリテーション」、「現場でのコンディショニング管理」に特化しています。
スポーツ理学療法士 資格 難易度の観点では、理学療法士の国家資格合格率が約80〜90%前後であるため、医療資格そのものよりも「その後に取得する関連資格のハードル」が壁として立ちはだかります。これに加え、日本理学療法士協会が設けている新生涯学習制度における「認定理学療法士 スポーツ理学療法」の取得も必須要件化しつつあります。学会発表の実績や指定研修の受講、症例報告の審査をクリアしたセラピストは、医学的なエビデンスを担保された専門家として、医療法人や競技団体からの信頼を格段に獲得しやすくなります。
現場の第一線に立つセラピストの手記やインタビューでも、「理学療法士の知識だけではフィールドの突発事故に対応できず、ATの資格取得でようやく競技指導者と対等に話せるようになった」という実感が数多く語られています。単一の免許に甘んじることなく、過酷なダブルライセンスを勝ち取った者だけが、狭き門を突破する切符を手にできるのが実態です。