VRゲーム業界において、本作が果たした役割は極めて大きい。従来のVRゲームといえば、フォトリアルなグラフィックで没入感を高めるアプローチが主流だった。しかし本作は、日本のマンガ表現をそのまま立体空間に引っ張り出すという、極めて大胆な挑戦を試みた。立体的なコマ割りや、空気中に浮かぶオノマトペの手触り感は、VRアドベンチャーの新たな可能性を切り開いたといえる。
コントローラーで物体を掴み、コマをめくるような動作で物語が進行する感覚は、プレイヤー自身がマンガのページ内を歩き回っているかのような錯覚をもたらす。画面越しに見る表現を、身体感覚を伴う体験へと昇華させた技術的アイデアは、国内外から高い評価を受けている。