ポップスやロックのコンサートにとどまらず、長年親しまれてきた演劇や舞台芸術の領域でも手数料問題は表面化している。例えば、不朽の名作として知られるミュージカル『レ・ミゼラブル』のような大型舞台公演では、長期にわたる公演期間と複数のキャストパターンが存在し、チケットの販売ルートも多岐にわたる。
こうした伝統的な興行では、劇場の会員組織、主催者公式ファンクラブ、プレイガイドの一般販売などが複雑に絡み合う。その結果、購入ルートによって手数料の体系が異なり、消費者が最も安く安全に買える方法を見極めるのが極めて困難になっている。
音楽興行の健全な発展を目指す一般社団法人日本音楽事業者協会などの業界団体にとっても、チケットの高価格化と不透明な手数料構造の是正は喫緊の課題だ。高額転売の防止やリセール(公式譲渡)制度の整備を進める一方で、ファンの不満を和らげる「透明性の高い販売プロセス」の構築が強く求められている。