黒字企業であっても人員構造の若返りを狙い、早期退職優遇制度を実施する動きが一般化している。数百万円から数千万円規模の割増退職金が提示されると、退職後の自由な暮らしや新しい挑戦への誘惑が脳裏をよぎる。
だが、提示された一時金だけに目を奪われるのは極めて危険だ。特別加算金は一見すると莫大な資金に思えるが、健康保険料の自己負担増や住民税の翌年課税、そして想定以上の長寿化によって一瞬で溶けていく。長期的視点を持たずにまとまった現金を受け取った結果、数年後に老後資金のショートに直面し、後悔にさいなまれる例は後を絶たない。