シアトル・マリナーズの本拠地で戦っていた現役時代、ホームゲームの日の朝食として約7年間にわたり同じスパイスカレーを食していた事実はあまりにも有名だ。この献立を支えたのは妻である鈴木弓子氏の存在であり、寸分違わぬクオリティで提供され続けた一皿が、多忙を極めるメジャーリーガーのコンディショニングを静かに支えていた。
当時の様子はNHKスペシャルの密着取材や数々のスポーツドキュメンタリーでも克明に描かれ、視聴者に強い衝撃を与えた。バッターボックスに入る直前の動作から日常の食事に至るまで、あらゆる行動をパターン化することで、彼は外部からの不確定要素を徹底的に排除したのだ。決断にかける脳の疲労を最小限に抑え、試合の第一打席から全神経を研ぎ澄ます——これこそが、長年にわたり偉業を積み重ねることができた真の実意であった。